eSIMの基礎知識 · 使い方

トラベルeSIMと普段のSIMは同時に使えますか?

約10分・2026年8月6日更新

使えます。そしてこれこそ、トラベルeSIMが現地SIMカードに対して持つ、いちばん実際的な利点です。いまのスマートフォンは2回線を同時に動かせます。いまお使いのSIMと、その隣に並ぶデジタルのトラベルeSIMです。元の番号は鳴り続け、必要な銀行の認証コードも受け取り続けます。そしてインターネットの通信はすべて安い現地のデータを通ります。すべては4つほどの設定にかかっていて、そのうちひとつを間違えることが、みなさんが恐れているローミング請求を生みます。ここでは、両方のOSでの正確な設定方法と、うまく動かないときの直し方をご案内します。

デュアルSIMは実際にどう動くのか

デュアルSIMとは、スマートフォンが2つの携帯ネットワークに同時に登録されるということです。元のSIMはローミング提携先を通じて接続し、音声通話とSMSのために待機します。トラベルeSIMは現地のネットワークに接続し、データを運びます。

実際には、ステータスバーの電波表示が1つではなく2つになり、設定画面には個別に構成できる2つの回線が並びます。2018〜2019年頃以降のフラッグシップ機はほぼすべて対応していますし、多くのミドルレンジ機も対応しています。具体的な機種は /device-check に一覧があります。

大事なイメージは、1つのハードウェアをたまたま共有している2つの別々の契約だ、ということです。設定の失敗はほとんどすべて、この2つを1つのものだと考えるところから生まれます。

本当に重要な設定はひとつ

驚くような請求を生む設定は、たったひとつです。海外にいるあいだ「元の回線」のデータローミングをオンのままにしておくことです。これがオンだと、スマートフォンは国際料金で元のキャリアのデータを使うことができ、しかも何も告げずにそうします。

安全な設定は、回線ごとにちょうど逆向きになります。元の回線ではデータローミングをオフ。トラベルeSIMの回線ではデータローミングをオン。この2つ目で混乱する人が多いのですが、「ローミング」は避けるべきものに聞こえるからです。しかしトラベルeSIMは定義上、外国のネットワークにローミングするものなので、そのスイッチがオンでなければそもそも動きません。

そのうえで、モバイルデータに使う回線としてトラベルeSIMを指定します。元の回線は通話とSMSのために有効なままですが、データを消費する経路を持たなくなります。

iPhoneでの設定

「設定」→「モバイル通信」(地域によっては「モバイルデータ通信」「モバイルサービス」)を開きます。画面の上のほうに回線が並んでいます。

元の回線をタップして「データローミング」をオフにします。戻って、トラベルeSIMの回線をタップし、「データローミング」をオンにします。そのうえで「モバイル通信」の画面から「モバイルデータ通信」をタップし、データを運ぶ回線としてトラベルeSIMを選びます。

もうひとつ重要で、しかも見落としやすいスイッチがあります。「モバイルデータ通信の切り替えを許可」をオフにしてください。オンのままだと、iOSはもう一方の回線の調子が悪いと判断したときに、データを元の回線に戻すことを許されます。それこそが、あなたが防ごうとしている高くつく挙動です。「デフォルトの音声回線」は元の番号のままにしておけば、通話はこれまでどおり使えます。

Androidでの設定

正確な文言はメーカーによって異なりますが、構造は同じです。「設定」→「ネットワークとインターネット」→「SIM」または「モバイルネットワーク」を開くと、両方の回線が並んでいます。

元の回線を選んで「ローミング」をオフにします。トラベルeSIMを選んで「ローミング」をオンにします。そのうえで、たいていはSIMの一覧画面にある「モバイルデータの優先設定」または「データSIM」の設定を探し、トラベルeSIMに設定します。

Samsungの端末では「接続」→「SIMマネージャー」の中にあり、「優先するSIMカード」のセクションでデータ、通話、メッセージをそれぞれ別に割り当てます。データをトラベルeSIMに割り当て、通話とメッセージは元の回線のままにしてください。

銀行の認証コードなどSMSの受信

元のSIMが登録されたままなので、いつもの番号宛てのテキストメッセージは、自宅にいるときとまったく同じように届きます。デュアルSIMのこの仕組みが、どんな価格比較よりも重要なのはこのためです。海外でのカード決済こそ、銀行がコードを求めてくる可能性のいちばん高い瞬間であり、現地SIMに差し替えた旅行者はそれを受け取れません。

ローミング中のSMSの受信は、事実上すべてのキャリアで無料です。料金を払うのは送信側です。送信は通常そうではありませんし、かかってきた通話に出るとプランによっては分単位の料金が発生することがあります。どちらもデータを使わないので、データローミングの設定には影響されません。

出発前に確かめておきたい方は、ご自身のキャリアのローミング規約で「SMSの受信」と「着信通話」の項目を具体的に確認してください。実際に頼りにするのはこの2つです。

WhatsApp、iMessage、そしていつもの番号

メッセージアプリは、どちらの回線がインターネットを提供しているかを気にしません。WhatsApp、iMessage、FaceTime、Signal、Telegramは、登録した番号——つまり元の番号——に紐づいたままで、通信は使える接続を使って流れます。それがいまはトラベルeSIMだというだけです。

登録し直す必要はなく、番号も変わらず、連絡先の人たちから見て何も変わりません。初めてeSIMで旅行する前にいちばんよく心配されることなので、はっきり書いておきます。

知っておく価値のある帰結がひとつ。これらのアプリは電話網ではなくインターネット上で動くので、そこから自宅に電話をかけてもかかるのはデータだけです。音声通話は1分あたりおよそ0.5MBで、どのプランでも無視できる量です。

どの回線が何を担うのか:早見表

データ(地図、ウェブ閲覧、SNSアプリ、インターネット通話を含む):トラベルeSIM。いつもの番号への着信通話と受信SMS:元の回線で、データの消費はなし。電話網を使う発信通話とSMS:元の回線で、キャリアのローミング料金がかかるので、できるだけインターネット通話を使ってください。

アプリのメッセージ:身元としては元の番号、経路としてはトラベルeSIM。緊急通報:設定にかかわらず利用できるあらゆるネットワーク。これは知っておく価値がありますが、設定は一切不要です。

設定画面がこの割り当てになっていれば、正しく構成できています。旅行の残りのあいだ、ほかに気にすることはありません。

いつインストールすべきか、そしてなぜ大事なのか

eSIMは飛ぶ前に、自宅のWi-Fiでインストールしてください。プロファイルのダウンロードにはインターネット接続が必要で、eSIMがいちばん必要になる瞬間は、まさにそれが手元にない瞬間です。データも現地SIMもないまま到着ロビーに立っているときです。

早くインストールしてもプランは始まりません。vigxoでは、eSIMが到着地のネットワークに初めて接続した時点から有効期間が始まるので、プロファイルは何週間でもスマートフォンの中で眠っていられます。買った日にインストールしてください。

QRコードが読み取れないときの対処も含めた手順の全体は /get-connected にあります。

うまくいかないとき:着陸後にデータが使えない

上から順に確認してください。最初の2つで大多数の場合が解決します。

1つ目、データローミングが「トラベルeSIMの回線に対して」オンになっているかを確認します。端末全体ではなく、その回線です。2つ目、モバイルデータの回線としてトラベルeSIMが選ばれているかを確認します。新しい回線を追加しても、自動的にデータ回線になるわけではありません。3つ目、機内モードをオンオフしてネットワークの再検索を促すか、端末を再起動します。

数分たっても接続しないなら、その回線にネットワーク名が表示されているかを見てください。何も表示されないなら、キャリア設定でネットワークを手動選択し、自動のままにせず現地の事業者のどれかを選んでみてください。ネットワークは表示されるのにデータが流れないなら、APNが手動で上書きされていないか確認してください。トラベルeSIMはこれを自動で設定するので、以前のSIMの手入力が残っていると動かなくなります。

うまくいかないとき:結局、元のキャリアから請求が来た

よくある原因は3つです。iPhoneでいちばん多いのは「モバイルデータ通信の切り替えを許可」がオンのままで、eSIMの調子が悪いと判断したときに端末が元の回線でデータを使うことを許してしまっている場合です。オフにしてください。

2つ目は発信通話とSMSです。これらはそもそもデータの上を通らないので、データの設定にかかわらず元のキャリアから請求されます。代わりにインターネット通話とメッセージを使ってください。

3つ目は、空港で設定を終える前の短い時間で、まだ元の回線がデータ回線だった場合です。小さいけれど実在する話で、到着してからではなく出発前にすべて設定しておくべき理由がこれです。

バッテリーと、元の回線をオフにするという選択

2つのネットワーク登録を維持すると、1つのときよりバッテリーをいくらか多く使います。とはいえ、いまのスマートフォンでは、画面の点灯時間やテザリングに比べれば差は控えめです。

それを取り戻したくて、着信通話もSMSも必要ないなら、設定で元の回線をまるごとオフにして、トラベルeSIMだけを有効にしておくこともできます。回線が削除されるわけではなく、いつでもオンに戻せます。

多くの旅行者にとって、これは損な取引です。この構成の目的は元の番号に連絡が届き続けることであり、銀行の認証コードはいちばん都合の悪い瞬間に届くものだからです。何ひとつ自分に届く必要がないと確信できるときだけ、オフにしてください。

旅行のあとで

帰国したら、トラベルeSIMの回線のデータローミングをオフに戻し、元の回線をデータ回線に設定し直してください。重要なのはこの手順だけで、忘れた場合は気づくまでデータが使えないというだけです。

期限の切れたeSIMのプロファイルは、そのまま入れておいても無害ですし、モバイル通信の設定から削除しても構いません。ただし、ほとんどの端末では削除したeSIMのプロファイルを同じQRコードから入れ直すことはできないので、まだ使っているものは削除しないでください。

よくある質問

物理SIMを入れたままにすると、元のキャリアから請求されますか?

モバイルデータの回線をトラベルeSIMに設定し、元の回線のデータローミングをオフにしていれば、データでは請求されません。着信通話と受信SMSは、受け取るぶんには通常無料です。電話網を使う発信通話と送信SMSは、そもそもデータを使わないので、依然としてローミング料金が発生することがあります。

元のSIMカードを物理的に抜く必要はありますか?

いいえ。そこが現地SIMに対する最大の利点です。eSIMはいまお使いのSIMの隣にデジタルで追加されるので、旅行中ずっと元の番号が有効なままですし、ホテルの部屋で小さなプラスチックの行方を気にする必要もありません。

どちらの回線がデータを使っているか、どうすれば分かりますか?

iPhoneなら「設定」→「モバイル通信」→「モバイルデータ通信」に選ばれている回線が表示されます。Androidなら「ネットワークとインターネット」の中の、モバイルデータの優先設定またはデータSIMの設定です。iPhoneでは「モバイルデータ通信の切り替えを許可」もオフにしてください。そうしないと、端末が何も告げずに元の回線に戻ることがあります。

SIMを2つ使うとバッテリーの減りは早くなりますか?

わずかに早くなります。2つのネットワーク登録を維持するからです。いまのスマートフォンでは、画面の点灯時間やテザリングに比べれば差は小さいものです。それを取り戻したくて着信通話もSMSも必要ないなら、設定で元の回線をオフにして、あとでオンに戻すこともできます。

トラベルeSIMでデータローミングを「オン」にしなければならないのはなぜですか?

トラベルeSIMは定義上ローミングだからです。外国のプロファイルが現地のネットワークに接続しています。お金がかかるスイッチは「元の回線」のデータローミングのほうで、オフにすべきはそちらです。2つの設定は同じ名前に聞こえて正反対の働きをするので、ここで人がつまずきます。

WhatsAppはいつもの番号のまま使えますか?

はい。WhatsApp、iMessage、FaceTime、Signal、Telegramは元の番号に登録されたままで、通信は使えるインターネット接続——つまりトラベルeSIM——を通ります。登録し直す必要はなく、連絡先の人たちから見て何も変わりません。

銀行の二要素認証コードは受け取れますか?

はい。現地SIMに差し替えるのではなくトラベルeSIMを使う、いちばん強い実際的な理由がこれです。元のSIMが登録されたままなので、いつもの番号宛てのSMSは普通に届きます。ローミング中のSMSの受信は、事実上すべてのキャリアで無料です。

eSIMは着陸の前と後、どちらでインストールすべきですか?

前です。自宅のWi-Fiで。プロファイルのダウンロードにはインターネット接続が必要で、着陸した時点ではそれがありません。早くインストールしてもプランは始まりません。有効期間はeSIMが到着地のネットワークに初めて接続した時点から始まるので、何週間でも眠らせておけます。

eSIMを入れたのに、着陸後にデータが使えません。どうすれば?

まず、データローミングが「トラベルeSIMの回線に対して」オンになっているかを確認し、次にその回線がモバイルデータに選ばれているかを確認してください。回線を追加しても、自動的にデータ回線になるわけではありません。どちらも正しければ、機内モードを切り替えるか端末を再起動して、ネットワークの再検索を促してください。

トラベルeSIMを使いながら普通の電話はかけられますか?

はい、元の回線からかけられますが、キャリアのローミング料金で請求されます。代わりにWhatsApp、FaceTime、Signalでかければ、かかるのはデータだけ——1分あたりおよそ0.5MB——で、どのプランでも無視できる量です。多くの旅行者はこちらを使っています。

トラベルeSIMで2つ目の電話番号がもらえますか?

いいえ。トラベルeSIMはデータ専用で、自分の番号を持ちません。だからこそ、元の回線があなたの番号であり続けます。それが実際どういう意味を持つかは /guides/essentials/does-a-travel-esim-give-you-a-phone-number で解説しています。

帰国したら何を変えればいいですか?

トラベルeSIMの回線のデータローミングをオフに戻し、元の回線をモバイルデータの回線に設定し直してください。必要なのはこれだけです。期限切れのプロファイルは残しておいても削除しても構いませんが、ほとんどの端末では削除したeSIMを同じQRコードから入れ直せないことにご注意ください。

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