eSIMの基礎知識 · 使い方

海外旅行のeSIMは何ギガ必要?

約10分・2026年8月6日更新

旅行でよくある失敗は、使う量よりずっと多いデータを買ってしまうことです。知らない街では、家にいるときのように長時間動画を見るより、道を調べ、翻訳し、交通の時刻を確認する使い方が中心になります。このガイドでは、使い方のタイプ別に1日あたりの目安を示し、どの操作がどれくらいデータを使うかを説明します。買う前に、お使いのスマホで普段の使用量を確認する方法も紹介します。

旅先では使い方が変わる理由

自宅では、スマートフォンは1日の大半をWi-Fiにつないでいます。月々の請求に出ているモバイルデータの数字は、外に出ていた時間の分しか入っていません。この数字は、旅行の予測には使えません。しかも、少ないほうにも多いほうにもずれます。

少なく見積もるのは、海外では、ふだん自宅や職場のWi-Fiにつないでいた時間も含めて、1日じゅうモバイルデータで動くからです。多く見積もるのは、家でいちばんデータ容量を使うこと、つまり長時間の動画、大きなダウンロード、作業中の音楽のストリーミングが、街を歩いているあいだはほとんど起きないからです。

そのため、多くの旅行者は、心配しているほど合計では使いません。ただ、想像より長い時間、少しずつ使います。月々の請求ではなく、何をするかから見積もるのが正確です。

軽い使い方:地図・メッセージ・乗換

スマートフォンを道具として使うなら、必要な量はごくわずかです。地図アプリで道を調べ、テキストメッセージを送り、搭乗券や乗車券を表示し、メニューを翻訳する、という使い方です。この使い方で、1日あたりおよそ200〜300MBです。

この使い方なら、3GBのプランで1週間、5GBで2週間を、余裕をもってまかなえます。テキスト中心のアプリは、通信量がとても少ないです。衛星測位そのものは、データをまったく使いません。GPSの測位は、衛星から届く一方通行の電波です。プランで払っているのは、移動に合わせて地図の画像を読み込む分だけです。

ふつうの使い方:SNSと写真

多くの旅行者は、ここに当てはまります。地図とメッセージに加えて、写真を何枚か投稿し、並んでいるあいだにフィードを眺め、WhatsAppで自宅へ音声通話をします。これで1日あたりおよそ500〜800MBです。

1週間の旅行をこの使い方で見ると、5GBで気持ちの余裕があり、10GBなら十分に足ります。2週間なら、10GBが自然なデータ容量です。

この数字をいちばん動かすのは、SNSのフィードの中の動画です。文字と写真のフィードを眺めるのは、データ容量が少なくて済みます。動画が自動再生されるフィードを同じ10分眺めると、数倍になります。旅行前にいちばん効果があるのは、SNSアプリの自動再生をオフにすることです。

重い使い方:動画・通話・テザリング

データ容量を大きく使うのは動画です。動画のストリーミング、長いビデオ通話、カフェで仕事をするためのノートPCへのテザリングは、特に意識しなくても1日1〜2GBを超えます。

移動しながら仕事をする、パートナーやお子さんと回線を共有する、長い列車の中で何かを見る予定があるなら、15GBか20GB、あるいは途中で足せるチャージ式のプランを検討してください。

覚えておきたい数字がひとつあります。標準画質の動画ストリーミングは、1時間でおよそ0.7GBです。高画質なら、その数倍です。HDの動画を1晩見るだけで、地図とメッセージの1週間分を超えることがあります。

操作ごとに使うデータ量

おおよその数字です。種類の名前で決めるより、ご自身で見積もりを組み立てるのに使ってください。以下はいずれも、アプリの設定、画質、電波の状態で変わります。

地図とナビは、曲がるたびに案内する使い方で30分使っておよそ5〜10MBです。WhatsApp、iMessage、Signalのテキストメッセージは、よく話す人でも1日に数MBです。インターネット経由の音声通話は、1分あたりおよそ0.5MBです。ビデオ通話は、1分あたりおよそ5MBで、音声の10倍です。家族との長いビデオ通話が、小さなプランのかなりの部分を使うのは、このためです。

SNSのフィードを眺める場合、動画が自動再生されるなら10分でおよそ100〜150MB、しなければずっと少なくなります。写真のアップロードは、ふつうの画質で1枚あたり数MBです。短い動画のアップロードは数十MBです。音楽のストリーミングは、標準音質で1時間あたりおよそ50〜100MBです。動画のストリーミングは、標準画質で1時間あたりおよそ0.7GBで、それより上の画質ならかなり増えます。

計算したくない方は、/data-calculator の計算ツールが、旅行の長さと使い方からプランのデータ容量を出してくれます。

気づきにくいデータの使い道

驚くのは、自分で選んだ覚えのない使い方です。いちばん大きいのは、クラウドへの写真の自動バックアップです。旅行中の1日の撮影は、数ギガバイトになることがあります。どの回線でもバックアップする設定だと、その全部を旅行用のプランで、気づかないうちにアップロードします。

2番目はアプリの更新です。モバイルデータで15個のアプリを更新しようとすると、10分で1週間分より多く使うことがあります。3番目は、新しいエピソードを先にダウンロードする、ポッドキャストや音楽のアプリです。

この3つは、同じ2つの設定で防げます。出発前にやっておく価値があります。写真のバックアップをWi-Fi接続時のみにする。そして、アプリの更新と自動ダウンロードをWi-Fi接続時のみにする。5GBのプランが十分になるか、水曜日には尽きているかは、ここで決まります。

地図は多めに見積もりやすい

ほとんどの人は、旅行のデータ容量で高くつくのはナビだと思っています。ところが、データ容量としてはいちばん少ない部類です。GPSの測位は、データプランをまったく使いません。データを使うのは、まだ見ていない場所の地図データをダウンロードする分です。それは小さく、しかも最初にまとめてかかるだけです。

出発前にWi-Fiで、行き先のオフライン地図をダウンロードしておけば、ほぼゼロにできます。主要な地図アプリは、2つとも対応しています。都市部のオフライン地図は、たいていわずかなダウンロードで済み、そのあとは旅行中ずっと費用がかかりません。

結論はこうです。ナビをたくさん使う予定でも、大きなプランを買う必要はありません。道は、好きなだけ調べてください。

写真のバックアップは少なめに見積もりやすい

逆の見誤りも、同じくらいよくあります。いまのスマートフォンのカメラは大きなファイルを作ります。観光でよく歩いた1日は、それをたくさん作ります。クラウドのバックアップは、1枚も残さないように、継続してアップロードする仕組みです。

たくさん撮った1日だけで、数ギガバイトをアップロードすることがあります。2週間の旅行になれば、買っていたであろうどのプランも、楽に超えます。しかもそれは、別のことをしているあいだに、裏側で起きます。

対処は、写真を撮るのをやめることではありません。バックアップをWi-Fiのときだけにし、毎晩ホテルで追いつかせることです。そのほうが費用が少なく、バッテリーにも優しいです。

普段のデータ使用量を確認する

いちばん信頼できる見積もりは、ご自身のこれまでの使用量です。スマートフォンは、どちらのOSでもそれを表示します。

iPhoneなら「設定」→「モバイル通信」を開きます。地域によっては「モバイルデータ通信」です。使用量の数字と、その下のアプリ別の内訳までスクロールします。注意点は、この合計が最後にリセットしてからの累計であることです。多くの人にとっては、スマートフォンを買ってからずっと、という意味になります。ふつうの1週間の始まりに統計をリセットし、7日後に確認すれば、そのままの数字が分かります。

Androidなら、「設定」→「ネットワークとインターネット」から、お使いのSIMのデータ使用量の画面を開きます。Androidは、はじめから月ごとの周期と、アプリ別の内訳を出してくれるので、そのままで役に立ちます。旅行が始まれば、どちらのOSも回線ごとの使用量を表示します。合計ではなく、トラベルeSIMだけを見ていられます。

途中でデータを使い切ったら

使い切っても、あとから直せます。買いすぎより、ずっと費用の少ない失敗です。有効なvigxoのeSIMは、ダッシュボードからチャージできます。追加したデータは、すでにスマートフォンに入っているプロファイルに反映されます。入れ直すものはなく、新しいQRコードも要りません。通信が途切れることもありません。

正直な助言は、想像できる最悪の1週間ではなく、ふだんの使い方に合わせて買うことです。5GBのプランを1回チャージするほうが、念のために買った20GBのプランを半分だけ使うより安く済みます。

使い切った場所に通信手段がまったくなくても、ホテルやカフェのWi-Fiがあればチャージは完了できます。購入そのものは、短い接続があれば足りるからです。

「無制限」が無制限とは限らない理由

無制限とうたわれるプランには、たいてい公平利用の上限があり、それを超えると速度が落とされます。メッセージは使えるのに、動画や大きなダウンロードには向かない速度まで落ちることもあります。それが必ずしも損な取引だという話ではありません。あの言葉が説明しているのは、請求のしかたであって、使い心地ではない、という話です。

無制限のプランで、もうひとつ確認したいことがあります。テザリングが含まれているか、除外されているかです。別枠で除外されたり、上限がついたりしていることがよくあります。無制限が欲しい理由がノートPCへのテザリングなら、その除外で、目的そのものがなくなります。

容量が数字ではっきりしているプランのほうが考えやすいです。不安からではなく、使い方からデータ容量を決めるなら、たいていは費用も少なく済みます。

データ容量の決め方

種類の名前ではなく、する予定のことから1日あたりの数字を見積もってください。旅行の日数を掛けて、2割ほどの余裕を足します。倍にはしないでください。使いきれないデータにお金を払うのは、そうやって起きます。

多くの旅行者にとっての答えは、1週間なら5GB、2週間なら10GBのあたりに落ち着きます。使用量の多い方や、ノートPCにテザリングする方は、ひとつ上のデータ容量になります。計算を任せたいなら、/data-calculator が計算します。プランのページには、お使いの通貨で、容量ごとの正確な価格が出ます。

よくある質問

スマホでいちばんデータを使うのは何ですか?

いちばん大きいのは動画のストリーミングです。次がビデオ通話と、バックグラウンドのクラウドバックアップです。テキストメッセージ、インターネット経由の音声通話、ナビは、どれも比べものにならないほど小さいです。標準画質の動画1時間が、地図とメッセージの1日分を合わせたより多くなることもあります。

バックグラウンド通信でeSIMのデータは減りますか?

減ります。早く使い切る、いちばんよくある原因でもあります。iCloudやGoogleフォトへの写真の自動バックアップは、気づかないうちに数ギガバイトをアップロードします。アプリの自動アップデートは、数分で大量に使います。旅行前に、両方をWi-Fi接続のときだけにしてください。

旅行の途中でデータを使い切ったら、どうなりますか?

有効なeSIMは、ダッシュボードから数秒でチャージできます。そのデータは、すでにスマートフォンに入っているプロファイルに反映されるので、入れ直すものはありません。チャージがこれだけ簡単なので、少なめのプランを買って足すほうが、最初から買いすぎるより安く済むのが普通です。

ヨーロッパ2週間なら、10GBで足りますか?

ほとんどの旅行者には足ります。14日間の地図、メッセージ、ほどほどのSNS、常識的な枚数の写真アップロードなら、10GBに余裕があります。動画を日常的に見る予定や、仕事でノートPCにテザリングする予定があるなら、足りません。

Googleマップは、データを多く使いますか?

いいえ。多くの人が思っているより、かなり少ないです。GPSの測位はデータをまったく使いません。かかるのは地図の画像のダウンロードだけで、ナビ30分でおよそ5〜10MBです。出発前にWi-Fiでオフライン地図をダウンロードしておけば、ほぼゼロになります。

普段どれくらい使っているか、どう確認できますか?

iPhoneなら、「設定」→「モバイル通信」で使用量の合計を確認します。数字が、期間の分かっている範囲を表すように、先に統計をリセットしておいてください。Androidなら、「設定」→「ネットワークとインターネット」からデータ使用量の画面を開きます。はじめから、月ごとの周期とアプリ別の内訳が表示されます。

WhatsAppの通話は、データを多く使いますか?

音声通話は1分あたりおよそ0.5MBと少ないので、自宅への長い電話でもほとんど響きません。ビデオ通話はその約10倍、1分あたりおよそ5MBです。30分のビデオ通話は、小さなプランのかなりの割合を使います。

無制限プランを買ったほうがよいですか?

たいていは違います。無制限と説明されるプランには、超えると速度が落ちる公平利用の上限があるのが普通です。テザリングは、別枠で上限がついているか、除外されていることがよくあります。使い方から容量を決めた、数字がはっきりしたプランのほうが考えやすく、費用もおおむね少なくなります。

テザリングに使うと、データは多く減りますか?

テザリングそのものに上乗せはありません。ただ、つながる端末が、スマートフォンではなくパソコンのように動きます。大きなウェブページ、高解像度の動画、そして通信量が無制限だと思っているソフトウェアの更新です。ノートPCで仕事をする予定なら、おおよそ倍を見てください。

ポケットに入れているあいだも、データは使われますか?

多少は使われます。アプリがバックグラウンドで更新し、メッセージやメールが同期し、クラウドサービスがアップロードします。ふつうのスマートフォンなら少なめです。ただ、写真のバックアップとアプリの更新の2つは、何もしていなくても大きくなることがあります。どちらも、Wi-Fi接続のときだけに制限できます。

音楽のストリーミングは、データを多く使いますか?

そこそこ使います。標準音質のストリーミングで、1時間あたりおよそ50〜100MBです。列車の中で数時間聴けば、無視はできません。ただ、極端な量でもありません。出発前にWi-Fiでプレイリストをダウンロードしておけば、その分の通信はなくなります。

初めての海外旅行には、どの容量が向いていますか?

1週間の旅行なら、多くの方に余裕があるのは5GBです。それを買って、写真のバックアップとアプリの更新をWi-Fi接続のときだけにしてください。思ったより使うなら、チャージしてください。チャージのほうが、使いきれない大きなプランを買うより安く済みます。

あわせて読む